愛知県蒲郡市にある愛知工科大学(AUT)と地元の金属加工業者7社が連携して、手のひらサイズの超小型人工衛星「がまキューブ」を製作し、2018年10月29日、種子島宇宙センターからJAXAが打ち上げるH2Aロケットに乗せて打ち上げました。
2017年5月26日からスタートした、がまごおり産学官ネットワーク会議の「超小型衛星部会」に所属する、蒲郡市内の金属加工が得意な中小企業7社が共同でがまキューブの外装部分(筐体)の金属加工を担当。
金属加工のプロの技術者たちが、まさに「町工場の力」を集結し試行錯誤を繰り返しながら、JAXAの規格より高い精度で完成させました。
株式会社中川製作所もこのプロジェクトに参加し、がまキューブの内部基板を固定する部品などを手掛けさせていただきました。
がまごおり産学官ネットワーク会議 「超小型衛星部会」
*プロジェクトの目的
蒲郡市内の愛知工科大学と地元企業が連携し、超小型衛星の製作を契機とした地元中小企業の宇宙参入可能性にかかる調査研究を実施。
超小型人工衛星の製作を通し技術の幅を広げ、新たな受注等の事業の可能性を広げ
また宇宙産業参入による地元企業の活性化を目指す。
「超小型衛星部会」部会員
部会長 株式会社 蒲郡製作所
メンバー 株式会社 加藤カム技研
株式会社 飯島産業
株式会社 三協
株式会社 中川製作所
有限会社 細井鉄工所
飯島精密工業 株式会社
AUT cube2 (愛称:がまキューブ)
「がまキューブ」は、公募により決まった名称で、蒲郡の「がま」と、立方体の「キューブ」から。
サイズ :約10㎝の立方体
重 量 :約1.36㎏
高 度 :約600㎞(国際宇宙ステーションより高い)
速 度 :秒速7.6㎞(約90分で地球を1周)
寿 命 :約7年半
がまキューブ、宇宙空間での4つのミッション
*ミッション1:目で見る人工の星(8個の高輝度LEDを点灯し、地上から肉眼で観察)
*ミッション2:720度宇宙撮影(2つの魚眼カメラで宇宙を全方位撮影)
*ミッション3:超低電力宇宙通信(省エネルギーの限界に挑戦)
*ミッション4:宇宙電波環境調査(宇宙を飛び交う電波の状況を調べる)
2018年10月29日、種子島宇宙センターから打ち上げられたがまキューブは、無事ロケットから切り離され周回軌道に入ることに成功しました。
しかし、残念ながら2018年12月現在、がまキューブとの交信に至らず、がまキューブの電波を補足できていません。
愛知工科大学では引き続き1日2回の電波観測を継続し、がまキューブの電波を探して行く予定です。